望ましくない事態に遭遇して、満たされた気持ちになった話。

週末金曜の朝。ひょんなことから、通常勤務後に単身で子連れ宿泊をすることになりました。 (詳しくは妻ブログで↓)

kodomo-mirai.hatenablog.com

なんやかんやありました。なんせ、初物だらけ。

  • 初 ひとりで子どもふたり連れ

  • 初 民泊利用

  • 初 子どもふたりとも蜂に刺される(!!)

ということで、最後の蜂刺されについて今回感じたことを主に書きます。


当日の宿泊先を Airbnb で探しました。いいですねエアビー。魅力的な宿がたくさんあります。

条件に合うお宿が見つかり、お世話になることになりました。

ホストの方も、建物も、とても素敵でした。

小川町の築120年の古民家を大家さんから借り受け、自費でキッチンを直したり、かつてリフォームで新造された天井や外壁を取り除いたり床板を貼り直したりする作業を仲間と行っており、その作業は現在も進行中です。 古民家は民泊のほか、イベントスペースとして活用されています。

小川町のご出身ではなく、ではなぜ小川町を拠点として選択されたのか伺うと、養蜂に適した場所を探して行き着いた場所なのだそうです。 蜂を翌朝に見せていただけることになりました。 宿泊前の情報としても養蜂をされていることが掲載されており、私も子どもも養蜂の現場を初めて見られると期待して眠りにつきました。

翌朝は関東では珍しく雪が降りました。 子どもたちは大喜び。そんな雰囲気の中、裏庭に向かいます。

そこには蜂の巣箱が設置されていました。 蜂は寒い季節は巣箱に籠もり、羽を震わせて温度を一定に保つそうです。その日は降雪もあったため、蜂はみんな巣の中にいるようでした。

ホストの方が、子どもたちに様子を見せてあげるべく、ご自身のスマホを巣箱の下に差し込み、中の撮影をしてくださいました。 すると、数匹ほどの蜂が巣箱から姿を見せ、のそのそと歩いたり飛んだりしました。

その様子を私も子どもも楽しく観察していました。

そのとき、急に下の子が「いたいー!」と言い始めました。 ひだりのもみあげの上を蜂が歩いており、そのまま歩いて方の上へ。 上の娘はその様子が怖くてその場を離れます。 私が下の子が暴れないように手と体を抑えている間に、ホストの方が蜂を払ってくださったのですが、しばらくいたいいたいと言っています。 顔を見ると、左のこめかみあたりがぽつんと赤くなっています。ああ、刺されてしまったんだ。

すると今度は離れた場所にいた上の子が「いだいーーーはちにさされちゃったよーーうわ゛ーーーカメラでとってーとらないでーーしむの(死ぬの)?しむの?病気になっちゃうよーー!いだい、いだい、いだーーーーい!!」と叫び始めました。もうこちらはパニック状態。

どこに蜂がいるかと尋ねると、頭の上とのこと。しかしてそのとおり、蜂がのそのそと髪の毛の上を歩いているので、払いました。 ただ、刺されたかは定かではありません。 すぐにその場を離れ、玄関まで移動しました。

その後も上の娘は痛がり続けます。 その光景に圧倒されてか、下の子はもう痛がる様子を見せません。左頬を見ると、蜂の針が残っていました。それをホストの方が抜き取ってくれます。いたい?と聞くと、いたい、とすこし泣きそうな顔を見せましたが、泣きはしません。 そんなドタバタの中、ホストの方に宿泊のお礼を伝え、親子で車内に移動しました。

まだまだ上の娘は痛がっています。涙も流しています。 きっとどこかに刺された箇所があるはずと思い、頭皮チェック。 するとありました。頭頂からやや後頭部にむけて進んだ場所に、蜂の針がささったまま。 取るよと伝え、抜き取りました。

それからおよそ20分、車内でずっと、上の娘を抱っこして過ごしました。 この時間が、とても得難く、大事なものに感じたのです。

予定詰め詰めで行動開始時間を最優先にしていたら、娘が痛がるのを放ってシートベルトに縛り付け、泣き叫ぶ娘に心苦しく感じ、表面的にはイライラして、車を発進させていただろうなと思います。

痛みは時間とともに快方に向かって行くことを希望として提示しながら、いまある痛みを共有すること。

娘が次の行動を起こせるようになるまで、娘の自身の気持ちが落ち着くまで、時間を気にせず向き合うこと。

この時間が、とても愛おしいと感じました。 そうしたかったし、そうできた。 親冥利に尽きる。 そんな感覚でした。

子どもたちに痛い思いをさせてしまったことには本当に申し訳なく、そのような事態にならないよう最低限の心構えや情報を予め伝えるなどの責務を怠らないよう自戒するとともに、 今回の出来事を通じて自分の在りたい姿が少し明確になったこと、また子どもとのつながりや子どもたち自身の自信がより強まったのではないかな、と感じます。

そのような点で、とても素晴らしい体験ができたと感じた休日でした。